組織が6倍になる前に置いておきたいEmployee Experience部門の役割

目次

  • はじめに
  • 1年間で組織が6倍に拡大したAzitを支えるEmployee Experience部門
  • 特に読んでほしい「ファースト人事」「ぼっち人事」の方へ
  • 組織づくりのスタート地点「組織の未来を想像せよ」
  • 組織づくり第1フェーズ「組織のサイクルを整えよ」
  • 組織づくり第2フェーズ「組織の根幹を言語化せよ」
  • 組織づくり第3フェーズ「理念戦略を浸透せよ」
  • Employee Experience部門設置1年後の組織の状況
  • さいごに

はじめに

  • 組織がうまく作れず、事業を前に進める推進力を伴っていない。
  • 組織崩壊が起こってしまっている。

という状態から組織を立て直していくというTipsを公開している記事を見ますが、

スタートアップにおいては、アーリーステージでの組織の躓きが崩壊に繋がり、立て直しが困難になるケースもあるため、

「組織が崩壊に向かうホラーストーリーになる前に先んじて手を打ちたい!」 「ただどこからどのようにやったらいいかわからない」

という方々も多いと思います。 そこで昨今注目されているのがEmployee Experience(従業員体験)。

本記事では、10名規模の組織から60名規模への組織への成長を遂げる上でのEmployee Experience部門の考え方を、Azitの1年間の組織状況とともに公開していきます。

これから組織を拡大してく各企業の経営者・事業責任者・人事の方の一助になればと思っています。

1年間で組織が6倍に拡大したAzitを支えるEX部門

2018年10月、組織づくりというミッションを持って私はAzitに入社しました。 営業部門の組織づくりは経験していましたが、企業としてのEmployee Experience領域は未経験という状態でした。

その当時のAzitの社員数は10名弱。

それから1年間、『強い組織を作ってください』というミッションのもと、先々に起こる組織課題を予測し、先回りして組織づくりを行ってきました。 ※ここでいう「強い組織」とはなにかという点は、別途定義していますが、今回は割愛します。

入社してまず、組織の共通のものさしとして、モチベーションクラウドを導入し、一番最初の計測から最も高い数値である”AAA”を獲得することができました。

その後、組織は10数名から60名弱と6倍に急増していますが、人数が増えた現在でもサーベイスコアは下がることなく、むしろ高まり続けています。

サーベイスコアの推移

特に読んでほしい「ファースト人事」「一人ぼっち人事」の方へ

スタートアップはPMFを達成し、ファイナンスを経て、一気にコーポレート部門づくり、セールス組織づくり、エンジニア組織づくりなど事業に応じて必要組織の採用にアクセルを踏みます。

このタイミングで重要なのが人事担当。 これまで経営陣が担っていた採用や組織づくりを経営陣と一緒になって担っていく存在です。

ただし、このタイミングで入社してくる人事担当は大体『どこから手を付けるのか?』が分からない状態に陥る事が多いです。

また組織づくりと採用を同時に担うことが多いため、対応すべきことの多さにパニックになることもあるかと思います。

これまでAzitで取り組んできた順番を整理して公開することで 同じ状況の方々にとって、少しでも役に立つような記事となっていれば幸いです。

組織づくりのスタート地点「組織の未来を想像せよ」

冒頭から何度も述べているように、まず起こりうる組織課題を想定しなければならなりません。

例えば

  • ビジョン・ミッション・バリューが浸透せず、組織に一体感がない。
  • 評価制度が機能せず、内向きな組織が出来てしまい、疲弊する。
  • ミドルマネジメントが機能せず、パフォーマンスが最大化されない。
  • 縦・横の情報が連携されず、当事者意識の低下・生産性の低下を生んでいる。

30人の壁・50人の壁と言われるような組織の壁の実態については、このフェーズを経験をした社員や他社でご経験されている方に話を聞きながら追体験することで概ね把握できました。

上記のような課題の中でも、一般論でなく、Azitの事業においてはどのような事態に陥りそうか?をできる限り想像し、その中で以下の順序で整理していきます。

  • いつ
  • どの順番で
  • どこに施策を打っていくのか

ここで決めたことをロードマップとして作成し、全社に表明し、取り組んでいくという流れで進めていきました。

People Operationsのロードマップ

2018年10月からのタイミングでは、組織というものに対して何のルールも存在しない状態でした。当時はまだ10数名。現在は整っている以下のような仕組みは何もありませんでした。

  • バリュー文言の整理
  • そもそもの会議体の設計
  • 評価制度のサイクル
  • OKRの導入

無いものをつくるために優先順位を決めて取り組むというのが、まず最初の半年間だったように思います。

組織づくり第1フェーズ「組織のサイクルを整えよ」

  • 全社合宿の実施
  • モチベーションクラウドの導入
  • 社内ラジオの導入をし、拡大後のための情報インフラを作る
  • シャッフルランチの導入
  • 全社課題発見のためのランチ会の導入
  • 週報会の導入

入社当初は目的が曖昧になってしまっている社内施策の交通整理や、組織拡大に備えて必要な社内施策を整えて、組織のQサイクル、月次サイクル、週次サイクルを作っていきます。まずはそのサイクルを整えていくことで、組織にリズムを作っていきます。

参考までにAzitの組織サイクルです。

Azitの組織サイクル

組織づくり第2フェーズ「組織の根幹を言語化せよ」

その次の3ヶ月(2019年1月〜3月)で、ミッション・ビジョン・バリュー/マネジメント/評価制度のような組織の根幹を担う部分と向き合うことになります。

具体的には

  • Valueの再定義
  • MGR(マネージャー)の役割定義・浸透
  • 評価制度の設計・導入
  • OKRの導入

一番大きなValueの再定義や浸透に関しては、丁寧に時間をかけて全社を巻き込みながら合宿などを行い、クオーターをかけて施策を実行していきました。

MGRに関してもまずは「MGRとはなにか」の定義・浸透のためのMGR合宿を設計・実行しました。

評価については、そもそもの評価制度の思想に加え、「どんな人を評価するのか」の定義から設計し、運用サイクルを作っていきます。

こうした取り組みを経て、AzitのEX部門は組織設計〜日常の社員体験までをデザインしていく部門として機能していきます。

組織づくり第3フェーズ「理念戦略を浸透せよ」

そしていよいよ、2019年4月〜6月のタイミングでは組織が50名を超えるフェーズになります。この規模になってくると、10数名規模の頃と比較して、社員も増え、何もしなければサーベイスコアが落ちていくフェーズです。

このクオーターでは主に理念と戦略の浸透を一番に掲げて

  • 戦略共有の場の設計
  • Value浸透施策の実行
  • 情報設計の最適化

を行いました。

ビジョンに共感して入社してくださる方が多い会社なので、理念と戦略が浸透されている状態が一番求められている、ということをサーベイの結果から把握し、50名を超える組織を更に強くしていくには全社戦略の浸透の仕組みづくりが一番のレバレッジポイントだと決めて取り組みます。

  • Qに1回の全社で集まっての全社戦略共有会
  • 社内ラジオでの戦略共有の配信
  • Valueを体現している行動とはどのような状態かを部門ごとで話し合い伝説づくり

を実施し、理念浸透を重点に仕組みを整えていきます。

Employee Experience部門設置1年後の組織の状況

1年間の取り組みにおける成果として、10名→56名に社員が増えた今もエンゲージメントスコアはAAAを維持することができています。

サーベイスコア

また、今後も100名、150名と拡大していく組織の課題を先んじて想定をし、打ち手をしっかり打ち続けることで、強い組織を作っていきます。

さいごに

改めて、組織づくりの重要なポイントは

「できる限りの解像度で組織を想像し」 「今すべきことを定め(むしろやらないことも決め)」 「思想からしっかり設計してやりきること」

だと思っています。

また、拡大フェーズのスタートアップでEXを担う社員を配置することで、組織崩壊の確率を下げ、むしろ事業成功の確率を上げにいくことができます。

Azitでは私と一緒に組織づくりを担う社員を募集しています。 興味のある方は求人をご確認下さい。

執筆者

  • 油谷 大希(あぶらや たいき)

油谷大希

新卒でインテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社し、ゼネラルマネジャーとして法人営業部門の責任者を経験。 2018年10月よりAzitのPeopleOperationsMGRとして採用領域全般、EmpoyeeExperience全般を担当している。

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