「短期目線は捨てる」権限委譲を見据えた長期目線のCS組織づくり 〜立ち上げフェーズのプロセスを公開〜

はじめに

CREWサービスには、ユーザーとしてCREWパートナー(ドライバー)とCREWライダーがいます。 そのCREWパートナー(ドライバー)とCREWライダー双方と様々な形でコミュニケーションを取り、CREWというコミュニティーを安心安全で有意義に利用していただくための役割として、コミュニティーサクセス(CS)チームがあります。

CSの中でも役割は異なっており、オペレーションの中核を担うのは 直接ユーザーの皆さまに安心安全を届けるオペレーター・メンバーと、チームの陣頭指揮を取るSV(スーパーバイザー)です。

事業モデルや組織規模によってCSの在り方は異なりますが、CREWというサービスにおいてどのような体制にすべきか?どのようなチームであるべきか? これは組織規模が大きくなり、会社が成長するにつれて変化していきます。

本記事では、CSの様々な取り組みの中でもSVとオペレーター・メンバーのパフォーマンス最大化にスポットを当て、考え方や具体的な取り組みを公開します。

立ち上げ当初のCSの状況

私が入社した10月頃は、CREWのCSは立ち上げから間もない状況でした。 これから体制を整えていくという中で、採用やチームづくりを行っていく必要がありました。

当初(私が入社する前に)中心となってCSの体制を構築してくれたSVメンバー2名(どちらもCS未経験!)のおかげで、 複雑なサービスモデル且つ制約も多い中で、人数が少ないながらも様々なサポート体制の構築が進んでいました。

とはいえ、作りかけのフェーズであるものも非常に多く、サービスがとても早いスピードで拡大していく中で、暫定対応のような形で乗り切っているものを早急にアップデートしていく必要がありました。

メンバー間で知識量に差がある状態や、対応が属人化するような状態を改善していくことで 「サービスをご利用頂くユーザーの皆さまに安心安全と最高の体験を届けたい。」 「CSチーム全員が心地よく働ける環境をつくり、パフォーマンスが最大化する好循環を生み出したい」 こうした目的で、立ち上げから現在まで、様々な取り組みを行っています。

パフォーマンス最大化に向けた取り組みの2段階目標

立ち上げフェーズ(2018年10月〜2019年1月頭まで)

まず私が入社してから目標においた第1ステップは以下のような項目でした。 - 同じクオリティでオペレーションを行える状態にする - ユーザーにとって適切な対応ができる状態にする - メンバーのいい意味での意識改革 - 個人で対応しているではなくチーム一丸でサポート業務を行っている状態にしたい

立ち上がり後のネクストステップ(2019年2月〜現在)

立ち上がって少しずつオペレーションフローが整いはじめたタイミングで、事業を伸ばすCSをつくるために以下のような状態目標を置きました。

  • CREWコミュニティーの活性化に寄与するチームづくり
    • CREWのサービスはコミュニティーの概念が強く、CREWパートナーとCREWライダーの両者が良い体験をしていけるような状態をつくるべきなので、そこに最大限寄与するようなチームをつくる
  • 目標の設定
    • OKRや目標を設定し、自分たちがそこに向かっているという意識を持てるような組織にする
  • 役割の理解と自発的行動
    • 今まで業務が属人化していたり、意識的に対応範囲が限定されていた状態から、業務範囲を自発的に広げ、自分から行動を起こし、自分の役割を理解している状態にする

補足

二段階の目標は立ち上がりフェーズ(2018年10月〜2019年1月頭)、ネクストステップ(2019年2月〜現在)で、1月は空白の1ヶ月間があります。

この期間はCREWのサービスが止まっており、安心安全に対する強化を行っていました。 なかなかこういった状況は発生しませんが、その際のCSチームの動きに関してもご説明しながら 現在に至るまでの具体的な動きをHOWTOの中でご説明していきます。

HOWTO

全体の流れと時間軸

1〜2. フローの決定とアップデート

これまでのオペレーションフローで不足している部分や、変更を加える必要がある部分を把握して補うためには以下のような順序で進めていきました。

  • 現状のオペレーションを把握
  • その背景を深掘る
  • 理想の姿とのギャップを洗い出す
  • それらの優先度をつける
  • 実際に様々な部門とSVメンバーとで連携しながら、あるべきオペレーションフローをつくる
  • ドキュメントに落とす
  • アップデート
  • 周知・教育を行う
  • 習熟度を確認する

今回はメンバーのパフォーマンスを最大化させることにフォーカスするため、具体的な進め方に関しては割愛します。

3. メンバー間の知識と対応のクオリティを統一

2018年10月〜2019年1月にかけては、会社・サービスとして以下のような様々な動きがあり、それに応じて様々な対応が発生していました。

  1. ブランドムービーの作成しプロモーションを行う
  2. 様々なキャンペーンの走り出し
  3. 新機能リリース

CSチームはこうした状況を軽やかに乗り越えられるだけの体制を整える必要があります。

そのために、まずはCSチーム内で情報格差が生まれないような状態をつくることを最優先としました。

メンバーの間で保有している情報量に差があると、何か不明点があった場合、分かるメンバーに確認を行ってから対応を進めることになります。 それが原因で対応スピードが落ちてしまうとユーザーファーストとはいえません。

また、そういった状況はメンバーのモチベーションを下げる要因にもなるため、優先度高く対応することが重要だと考え、取り組みを強化しました。

4. 新しいマニュアル管理ツールの導入

情報とオペレーションのクオリティーを統一化するために、様々な内容をドキュメントに落として共有していました。 しかし、既存のドキュメントツールではマニュアルが効果的に利用されず、マニュアルとして機能しづらくなっているという状態が発生したため、まずその要因を整理しました。

  • 中身のコンテンツが作りかけのものが多い
  • 内容が分かりづらい
  • そもそもツールの検索性が悪い

コンテンツとユーザビリティーの2つの観点で課題が抽出され、ドキュメントツールを再選定することにし、AzitのCSでは「Kibera」を導入することにしました。

その後、課題にあがっていたコンテンツも新しいツールに合わせた形にマニュアルを作り変え、監理階層を変更し、移管作業を進めました。

5. 権限委譲

SVはプレイヤーとして自らがオペレーションの最前線に立つのではなく、メンバーに権限委譲を行うことで、組織のエンゲージメントを高める施策を考える時間や、メンバー育成のための時間をつくることができます。

今まで行ってきたナレッジマネジメント(マニュアル管理と運用)がいい形で回ってくると権限委譲しやすくなり、上記のような好循環が生まれます。

10月からの動きはここに集約されており、現在は少しずつ権限委譲していくフェーズとなっています。

実際に権限委譲するには

  • SVがメンバーに対して指示する内容をしっかり説明できる場をつくる

    • 当初はコミュニケーション方法や会議体もそれほど整っていなかったため、何かあった場合はとりあえずを声かけまずは相談するという状態で、未来の共有事項なども事前に知らせることがなかなかできていませんでした。現在は、朝会や必要に応じてミーティングや共有会を実施して、会社・サービス・他の部門の動きの共有するような場を設けています。
  • 日中のメンバーから夜間のオペレーターへの引き継ぎ方法を変更

    • これまでは、日中発生した対応事項などを掲示板に書き込み、引き継ぎの際にはその掲示板を見るという形で行っていました。現在はSlackや電話会議、定期的な交流会など密なコミュニケーションでのやり取りを行い、より高い精度での引き継ぎや情報・マインドの共有を実施するように変更しています。
  • チームでやっている感覚ををつくるために、ポジションや勤務時間帯問わず、全体での接点を増やした。

MTGするCSメンバー

ターニングポイント

CREWサービスをストップして安心安全に対する強化を行っていた1ヶ月間(3と4の間)

「サービスのグロース<安心安全強化」という判断から、サービスを休止していたメンテナンス期間のタイミングでは会社としてもCSとしても1つ大きなターニングポイントとなりました。

オペレーショングループの社員やSVを中心に、約1ヶ月で数百名のCREWパートナーの皆さまに対して直接対面で研修し、安心安全の概念や法令遵守の大切さを伝えしました。

やはりユーザーへの直接対面でのコミュニケーションは、知識や対応のクオリティーを上げていきたいと感じるキッカケとなり、『みんなで同じクオリティで対応していく』という意識付けを全体で強化することに繋がりました。

最後に

CREWはステークホルダーや制約が多い反面、実現できることの可能性も非常に多いサービスです。 CS観点では、難易度はとても高いですが、やりがいのある面白い事業であると思っています。

現在働いているCSメンバーは約50名ほどに増加し、組織はさらに拡大していますが、そんな中でも全員がCREWに愛着を持ち、可能性を感じ、熱意を持って働いてくれています。

CSチームのメンバーがもっと楽しんで働けるよう、今後も組織パフォーマンス最大化に向けて尽力していきます。 これからもっと仲間が増えていきますが、チームで高みを目指すようなマインドを持っている方と是非一緒に仕事をしていきたいです。

最後までお読み頂き、ありがとうござました。

本記事執筆者

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